不動産投資としてアパートを購入して経営する場合には、その賃料で利回りを目指すだけではなく、節税効果も期待することができます。
今回はそんな節税の1つの方法として、アパート経営の際に家族に給与を支払うメリットについて、まとめてみました。
アパート経営の際に家族に給与を支払うメリット:専従者給与について
事業専従者とは、配偶者や親族の従業員のことで、たとえば、飲食店を主人が夫婦で切り盛りする場合の妻は、事業専従者に該当します。
そして、家族である事業専従者に支払う給与を専従者給与といいます。
アパート経営については、たとえサラリーマンなどが副業で行っていたとしても、その所得額と規模によって、確定申告をしなければなりません。
もし、アパート経営で確定申告をしている場合、その経営に配偶者が従事しているのであれば、配偶者は事業専従者となることができます。
なお、この確定申告には白色申告と青色申告がありますが、事業規模でアパート経営をおこなうようであれば青色申告、そうでなければ白色申告が必要となります。
この申告の内容によって、専属従業者に適用できる節税方法が大きく異なるため、注意が必要です。
アパート経営の際に家族に給与を支払うメリット:発生する節税効果
専従者に対する具体的な扱いは、白色申告をしている事業に従事する配偶者に対しては専従者控除、青色申告をしている事業に従事する配偶者に対しては専従者給与となります。
まず、専従者控除を受ける場合の節税効果です。
専従者控除では、86万円を超えない範囲で、「アパート経営で得た所得の金額÷(専従者の数+1)」の控除を受けることができます。
つまり、アパート経営による不動産所得が100万円あり、配偶者を専従者として従事させていた場合、50万円の専従者控除を受けることができるのです。
配偶者控除と重複して控除を受けることはできない控除ではあるものの、配偶者控除額と専従者控除額と比較をしたときに、専従者控除額が高くなるようであれば、節税効果があるといえます。
次に、家族に専従者給与を支払う場合の節税効果ですが、専従者給与についてはそのままの給与額について経費計上が可能であるため、不動産所得が多い場合には大きな節税効果があります。
一方で、給与をもらった配偶者については、その金額によって扶養控除から外れ、別個で所得税を納める必要が出てくるため、注意が必要です。
アパート経営のメリットとして挙げられるのが、専従者への扱いに関する、さまざまな節税効果です。
ただし、確定申告の種類によって専従者の扱われ方が異なり、期待できる節税効果も大きく異なるため、十分な注意が必要です。